建築家によって提供されたテキストによる説明。中国深セン市南山区に新設される幼稚園のインテリアプロジェクトです。この幼稚園は、貿易やIT関連のビジネスで知られる地域に位置しており、そのダイナミックな成長と発達を反映して、子供たちの自発的な身体活動を促進することを設計コンセプトとして開発されました。
既存建物の中央には4階建てのアトリウムがあり、その周囲を東西3層を繋ぐ巨大なクライミングネット構造物が配置されている。建物内のさまざまな空間を繋ぐアトリウム。縦の循環だけでなく、社会交流の場や子どもたちの挑戦の場としても機能します。吹き抜けに面した廊下には大きな窓と読書スペースを設け、教室内に自然光を取り込み、単調になりがちな廊下を遊びと学びの空間に変えました。
また、中庭には大きな木が植えられており、子どもたちがその成長や経年変化を観察することができ、建物のどこに立っても自然の流れを感じることができます。命を育む「鳥の巣」をコンセプトに遊びと学びの空間をデザインするとともに、幼稚園のシンボルとして、子どもたちに一生の思い出を刻む空間を実現しました。
敷地の地層(古赤砂岩)をイメージした土壁を採用したり、竹集成材を曲げて鳥の巣を表現したりするなど、自然素材にこだわった内装デザインとなっている。このアプローチは、自然と地域環境への理解を促進しながら、視覚と触覚の両方を刺激することを目的としています。
建設廃棄物による環境への影響を軽減するために、既存の建物の外壁の大部分は変更されず、屋内の活動と屋外を繋ぐためにいくつかの大きな開口部と折り畳み式のドアが追加されました。これらの機能は、操作可能なガラスの天窓と合わせて、アトリウムの周囲に空気の流れを生み出し、機械システムに大きく依存することなく光と風を制御します。
限られたスペースは、都市部の幼稚園が通常直面する共通の課題です。そこで、地下と地上の庭を階段や芝生のスロープでつなぎ、行き止まりのない空間的な庭を作り、子どもたちが体を動かす機会やさまざまな日常体験ができるようにしました。発達段階に応じて子どもたちの好奇心や興味を促し、心身を自然に刺激し日々の生活の成長を促すデザインです。